ペンタックス PC35AF−M オートロン2について


PC35AFM
ペンタックスが初めて送り出した一眼レフでないカメラ。

☆ジャンク度☆
巻き戻し不良?
撮影可能


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レンズカバーのスライドで電源を起動する。
一種のバリアブルカメラだ。


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0.7mまで寄れるペンタックスレンズは贅沢な5枚玉。


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電池室を兼ねたグリップはイイ感じだ。


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フラッシュは勝手にポップアップしない。


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割と硬派なスタイリングがペンタックスらしい。


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ファインダーはフォーカスインディケーター付きで見やすい。

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電源は当時のAFコンパクトカメラとして標準の単三電池2本。

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なんと、本カメラを拙僧は10円で拾っていた。
世も末だなあ。


 「オートロン」と言っても21世紀では誰も知らないだろうな。上の方で本カメラを「ペンタックスが初めて送り出した一眼レフでないカメラ」と称しているが、実は嘘である。本当は「PC−35AF オートロン」が存在する。本カメラは後裔機の「PC−35AF−M オートロン2」なのだ。とはいえ、「オートロン(初代)」は供給量が少なく、拙僧は本物を見たことが無い。何が違うかというと、「オートロン(初代)」はオリンパスXAに似たノブ式巻き上げで、これまたXAのフラッシュに似た形状のモーターユニットを装着できるのだ。ワザワザ、モーターユニットを別体にするメリットの薄さをペンタックスも感じたらしく、すぐさまモーター化した本カメラ、つまり「オートロン2」と入れ替えたのである。カメラとしての基本性能は大して変わらないらしいので、一緒にまとめさせていただきたい。
 本カメラが登場したのは1987年6月である。キヤノンだとオートボーイ3が同期だな。そう考えるとAFコンパクトカメラも性能が安定してきた頃だ。キヤノンが贅沢に2CR5を採用するのに対し、本カメラは単三電池2本で駆動する。オートボーイ3はバッテリー交換も自分ではできない(ドライバーが必要)自分勝手なカメラなので、単三電池に好感を持つな。
 レンズカバーをスライドさせると電源が起動する一種のバリアブルカメラである。レンズカバーの端に位置する赤く小さいレバーをちょっと引くだけで、スプリングの力で素早くレンズカバーが開く。後は、この時代のAFコンパクトカメラなのでレリーズボタンを押下するだけだ。ボディ上面には逆光時に+1.5の露出補正を行う簡単なスイッチがある。
 AFは10段とされているが、拙僧の使う限りフォーカスを外すことは無かった。極めて優秀なAFである。行進間射撃だろうが被写体が中央より外れていようが全く問題ない。無論、AEもパーフェクトで同時に運用していたコンパクトデジカメの鈍重さに腹が立つ。レンズは5郡5枚と奢っており、素晴らしい写りだ。カラーネガしか通していないが、発色も満足で素性の良いレンズである。コンパクトデジカメなんか捨てたくなる。
 プラスチックを恥じていないスタイリングには好感を持つ。ペンタックスのAF一眼レフカメラであるSFX時代のポリシーを継承しているのだろう。SFシリーズのスタイリングの評価は低いが、拙僧は悪くないと思うな。特に、本カメラは成功していると思う。ペンタックスとしても「一眼レフカメラ以外はダメだね」と言われたくなかっただろうから、お金もかけているのではないか。
 「オートロン」という薬にも毒にもならないネーミングはエスピオに継承していく。その後のペンタックスのAFカメラのスタイリングも、ポリシーはモデルごとにバラバラなのだが、その毎に注目する点もあって関心深い。
 本カメラも良く写るカメラだから500円以下なら拾ってほしい。


 撮影結果(知立祭り編)をご覧頂きたい。

(了:2013/6/5)


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