オリンパス IZM300について


IZM300
100円というプライスタグが泣かせる。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能




IZM300 IZM300
 ググっと伸長するズームレンズ。
 テレマクロを搭載。


IZM300 IZM300
 何かしらの化粧用パーツが欠落している。
 電源はCR123Aを2本使用。


IZM300 IZM300
 多彩なファンクション機能を搭載。


IZM300 IZM300
 ムービーカメラ型のストラップは、しっかりとしたホールディングに貢献する。


IZM300
 本カメラとIZM330を並べてみる。



 1980年代後半、「ブリッジカメラ」というジャンルが確立していた。これはコンパクトカメラと一眼レフカメラの中間を狙ったもので、一眼レフカメラのズームレンズに匹敵するレンズを搭載したカメラである。大きくは「コンパクトカメラにSF感が止められなくなってしまったレンズシャッター機」と、「レンズ一体型一眼レフカメラに近いもの」がある。前者はミノルタのAPEX105やキヤノンのオートボーイジェット、後者はリコーのミライやチノンのスーパージェネシスがそれにあたるだろう。本カメラは前者で「SF感が止められなくなってしまったレンズシャッター機」である。
 本カメラの特徴の一つは外観である。いかにも80年代SF的なスタイリングである。これは他のブリッジカメラも同様で、そいうムーブメントだったのだろう。最大の特徴は38〜105mmF4.5〜F6のズームレンズである。レンジは常識的な標準域だが、コンパクトカメラとは一線を画す明るさである。これが35〜105mmF4〜5.6だったら、普通に一眼レフカメラの標準ズームレンズだが、ちょっとだけ暗くなってしまっているのは大人の事情があるのだろうか。本カメラのデザインはこのレンズを効率的に搭載する必要から発しているのだろう(多分)。最短撮影は1.3〜無限遠でイマイチ足りないが、マクロモードだと0.8〜1.3mになる。それでも強力とは言えないが、テレ側ならそこそこのクローズアップ撮影ができるし、驚くのはファインダーがパララクス補正する。これは素通しのファインダーに枠が写りこむのではなく、倍率を補正するのだ。こんなに贅沢なビューファインダー機は、そうは多くないのではないだろうか。AFステップは標準モードで200ステップ、マクロモードで150ステップを奢っている。マクロモードが意外と本気なのが驚くな。
 多彩なファンクションモードを搭載する。しかし、インターフェイスデザインが限定的な時代だったから、この個体は全オーナーがファンクション番号とファンクション機能の対応表を貼り付けてあった。拙僧には用がないので正確には把握していない。AFは迅速でしかも静粛。このあたりはレンズシャッター機の特徴を生かしているのだろう。スナッパーとして嬉しいのは電源を切ってもフラッシュモードを記録しているのだ。そいうカメラはフィルム時代だったら珍しい。確か、後裔機のIZM330では省略されてしまった気がする。見てくれがゴージャスなIZM330に比べると大きさの割にシックに見えてしまうのが不思議だ。IZMシリーズはオリンパスのズームレンズ搭載コンパクトカメラとしては初期のシリーズでIZM200シリーズは大柄だが常識的なコンパクトカメラのスタイリングでる。しかし、28mmから始まる広角系ズームレンズを搭載して、それなりに本気度を見ることができる。本カメラから始まるIZM300シリーズは、より一眼レフカメラのレンズに準じたレンズを搭載するため、個性的なスタイリングになっている。この点は他社とも共通するのだが、同じポリシーのオートボーイズームスーパーがボディサイズはともかく常識的スタイリングなのだから、やっぱりバブリーな雰囲気で突飛なデザインにしたのだろう。IZM300やIZM330はそこそこ売れたようで、海外向けだろうかインフィニティブランドのIZM330も確認できた。IZMシリーズ末期のIZM400はリコーのミライのOEMだという噂もあるので、オリンパスのIZMシリーズの総体性はIZM330になるのだろう。
                   ☆            ☆
 一眼レフカメラに準じたブリッジカメラだが、値段は7〜8万円と結構高かった。昔はコンパクトカメラでも普通に高かったが、廉価機のMF一眼レフカメラと標準ズームの組み合わせよりも少々高い程だ。勿論、MFが絶対に無理というニーズはあっただろうし、実際にブリッジカメラは時代のあだ花と切り捨ているよりは売れたようだ。しかし、EOS1000のような本物の一眼レフカメラが安くなると徐々にポジションを受け渡すことになる。もっとも、オリンパスのようにブリッジカメラの延長上にあるL−1L−10レンズ一体型一眼レフに誇示するメーカーもあった。この辺は作らなかったのか作れなかったのか微妙なところだ。
 ブリッジカメラはデジカメ時代にも継承している。いわゆるEVF機だがフィルム時代では考えられなかった高倍率のズームレンズを搭載していて、一眼レフデジカメと住み分けが適っているようだ。
 拙僧のようなカメラに淫する人間には関心深いものではないが、小型で何でもできる現在のブリッジカメラには強いニーズがあるようだ。


 では、撮影結果をご覧頂きたい。

(了:2016/4/7)


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