キヤノン オートボーイFXLについて


AutoboyFXL

☆ジャンク度☆
ボディに割れ有り
日付写し込み解除方法解らず
撮影可能


AutoboyFXL AutoboyFXL
電源投入後にはレンズが少しだけ顔を出し、レリーズ時には更に繰り出してフォーカシングする。
ちょっと、オートボーイテレ6の面影あり。


AutoboyFXL AutoboyFXL
撮影モードは4モード種類のみ。スナップ撮影には必要充分。
モードダイヤルによる操作は快適。


AutoboyFXL
背面では日付設定のみを行う。オートボーイ伝統の押し辛いゴム製ボタン。
残念ながら日付写し込みの解除方法が解らずじまい。


AutoboyFXL
 使い応えのある32mmF3.5レンズ。


AutoboyFXL
 キヤノン伝統のAiAFを搭載。


 拙僧はこのキヤノンオートボーイFXLの現役時代を知っている。ビックカメラ立川店の地下で9800円位で売っていたのだ。丁度、写真に本格的に興味を持った頃で、「こういう単焦点AFコンパクトカメラにカラーネガをつめたら、モノクロをつめた一眼レフのサブとして良いかな。」と思ったのだ。結局、他にブローニ判のモノクロネガも作らなきゃだし、カラーネガを作る余裕はなさそうなので逡巡しているうちに速やかに店頭から消えてしまった。現在のゴミ寸前のカメラに埋もれている生活から振り返って見れば、とてもピュアな写真に向かう正しい姿勢であった。不思議な事に本カメラを見たのはその時の1回だけだったのだけれども、それから5年ほど経過して拙僧の目の前に再び現れたのである。プライスタグは315円也。
                        ☆             ☆
 本カメラは32mmF3.5と広角よりの単焦点レンズを搭載したAFコンパクトカメラである。この手のカメラとしては若干大柄なボディであり、デザインもリコーR10やオリンパスμ2に比べると少々野暮ったいけど、実際の撮影にはこの位の大きさがあったほうが都合が良いのである。申し訳程度のラバーグリップも意外と貢献してホールディングは良好だ。本カメラがスナップ撮影に実に都合が良いのが撮影モードをダイヤルで選択するところだ。撮影モードは「セルフタイマー」「オート」「フラッシュ強制発光」「フラッシュ発光不可」の4モードだが、これで充分である。オートボーイシリーズは変にいじったところが有る割にはフラッシュモードの変更がやたらと面倒なものが多いから好感が持てる。
 起動はボディ前面のスイッチをスライドさせるとレンズカバーが空いて撮影可能状態になる方式である。何度かバックから取り出したらスイッチが入っていたときがあったから、ちょっと問題有りかも知れない。デジカメに慣れた目がそう錯覚させられるのかもしれないけど、覗くとあまりの小ささにビックリしてしまうのがファインダーだ。視野には近接パララクス補正枠とパノラマ枠が表示される。パノラマ撮影時にも別にマスクされるわけでもなく、「P」の表示が現れるだけなのは、良心的な設計者があえて「コンパクトカメラのパノラマモードなんて嘘っこですよん」というメッセージを残したのかもしれない。起動時にはちょっとだけしか顔を出していないレンズは、レリーズ時にはぐぐっとせり出して焦点を合わせる。オートボーイテレ6では完全にレンズが隠れていたけれども、やっぱり起動前か起動後かわかり辛いので止めてしまったのだろうか?レリーズラグも少なく巻き上げも静粛でスムーズ。今まで使ったオートボーイ3やオートボーイテレに比べたら格段に進歩したなあ。
                        ☆             ☆
 それまでもコンパクトカメラのモードダイヤルによる撮影モードの設定はフジやオリンパスで実績があったけれど、本カメラの場合は使い物になり始めたコンパクトデジカメからのフィードバックな気がする。スナップ撮影で重要なのはフラッシュの「強制発光」か「発光禁止」の何れかを選択できる事なので、本カメラの目の付け所はとても好感が持てる。実にナイスなスナップカメラだ。いったい何をしたいのかさっぱり判らない機能は満載なのに、必要な操作はえらく面倒なオートボーイシリーズに有って、本カメラの存在は異色のシンプル&クレバーである。
 残念なのがキヤノンミュージアムを見る限り、オートボーイを冠するカメラで力の入ったモデルは本カメラが最後になりそうな事だ。本カメラが(少なくても多摩地区の市場に)登場した時には、即応性や保守性でまだまだ銀塩カメラに部があったのだけれども、今やその役割は完全にコンパクトデジカメに入れ替わった。

   では、撮影結果を見て下さい。

(了:2006/03/09)

カメラメニューへ戻る
「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system