キヤノン オートボーイAXLについて


AutoboyAXL

☆ジャンク度☆
ボディに擦り傷多数
撮影可能


AutoboyAXL AutoboyAXL
かすかに残るCanonのロゴとペットネーム。
ちなみに左が1台目で右が2台目。


AutoboyAXL AutoboyAXL
マクロモードで望遠側で0.45mまで寄れる。ご立派。


AutoboyAXL AutoboyAXL
1台目は電池蓋欠品を50円で購入。
コンディションはこっちのほうが良い。


AutoboyAXL
500円で買った2台目。1/10で買った1台目よりコンディションが悪いのは皮肉だ。
外観のくたびれ具合は似たようなもの。


AutoboyAXL AutoboyAXL
レリーズボタンの隣にズーミングボタンが配置。
右は望遠側に伸長したところ。


AutoboyAXL
背面のコンパネ。
標準的なコンパクトカメラのものである。


 こうデジカメの世の中になってしまうと、銀塩フィルムの現像代も惜しくなって一つのフィルムを複数のカメラで使いまわしてしまうのは我々の業であろう。その使いまわしのフィルムだってなかなか現像に出さなくて、やっと現場監督28に詰めてあったフィルムを0円プリントに出した時には、既に前にどのカメラから使いまわしたフィルムなのかを忘れてしまっていた。拙僧のようにカメラを弄繰り回してコンテンツを書き散らしているものが言うのは何なのだけれども、0円プリントで返って来たプリントでカメラを特定する等というのは不可能な事で、まあ、そうは言っても画角が望遠に振ってあれば少なくてもズームの付いたコンパクトカメラな事くらいは確認できるかなあと思ってた。流石に一眼レフで撮影したフィルムは覚えているのでそのくらいは予想できた。
 ところが返って来たプリントを見て驚いた。サービスサイズの機械焼きなのにその描写力も発色も現場監督28で撮影した物と比べて明らかに上なのである。現場監督28が期待はずれなのもがっかりだったのだけれど、こんな高性能レンズを搭載したコンパクトカメラは一体なんだ?そこでやっと一つのカメラが思い立った。キヤノンオートボーイAXLである。レンズ描写に定評のあるコンパクトカメラだ。
                        ☆             ☆
 本カメラを初めて見つけたのは勿論ハードオフのジャンクコーナーである。その時は電池蓋が欠品で結構な値段だったので見送った。その後、半年くらいしたら50円になっていたので適価であろうと思い購入。アルミ箔で通電させて簡単な動作チェックを行い、家庭内ジャンク箱に暫く寝かせていた。この、電池蓋が完全に別体で無くし易いのは本カメラの欠点の一つである。暫く後、今度はキタムラのジャンク籠で外観がクタビレまくったものを発見。500円は高いと思いつつも電池蓋がちゃんと有ったので購入した。どうも、本カメラは前面がゴムのような素材で覆われていたようなのだが、これが例外なく擦り切れていて悲惨な状態となっている。本カメラの大きな欠点の一つである。少しはキヤノンも考えなかったのだろうか。いや、キヤノンの事だからコンパクトカメラの耐久性なんて考えはしなかっただろうな。オートボーイAXLという名は妙に意味深だなとおもったらオートボーイAという元になったモデルがあった。フジヤで見かけたそれはごく普通のプラスチックシェルであったので悲惨な外観にはなっていなかった。キヤノンミュージアムによればパノラマ機能の追加と外装以外に違いは無いようだ。ところでキヤノンミュージアムはそれまでのシリーズ別分類から時代別分類に変わってすごく見づらくなったな。ぷんぷん。(2006/6/26現在)。
 拙僧の個体は1台目の方が状態が良かったので2台目の電池蓋を1台目に使う事にした。50円のカメラに500円の電池蓋というのは良い買い物だったのだろうか?外装の経たり具合も1台目の方が少しはましの様だ。
                        ☆             ☆
 38〜76mm/F3.8〜7.2の2倍ズームは、今となっては何て事は無いスペックだけれどもゆとりのある設計でレンズ性能に期待ができるともいえる。マクロモードは76mmに固定されるけど、0.45mまで寄れるのは特筆すべき魅力だろう。通常モードでも0.6mまで寄れるのも、なかなか立派なのではと拙僧は思うな。
 実際に撮影してみると、外装のゴム皮膜がボロボロと落ちるし、ボタン類もゴム製で感触が悪く、普通の人はまず使いたいとは思わないだろう。特にレリーズボタンは半押しの感覚が掴み辛く、所謂「AFロック」がやり辛い上にストロークが長い(というかぐいっと押す必要がある)ので不快である。屋外ではあまりそういうことは無かったのだけれど、屋内でテストした時にはしばしばフォーカスを外してしまい、そうなるとシャッターがフリーズしてしまうので不要な力を消費させられた。フラッシュモードやマクロモード切替などの諸設定ボタンも小さく、ゴム製で感触は悪いがオートボーイシリーズの中では比較的まともなレイアウトである。オートボーイシリーズのレリーズボタンとズーミングボタン以外は押させまいという伝統性の中では及第点である。
 よく出来ているなと思ったのが静粛性で巻き上げのモーター音が低くささやくだけで、フォーカシング音もシャッター音も殆ど無い。人によっては何時シャッターが切れたかわからないので不安に思うかもしれないな。
                        ☆             ☆
 同世代のオートボーイシリーズの中では本カメラは中庸という位置付けのようだけど、A(エース)と名のつくとおり基本性能の良いカメラである。特にレンズの描写力は短焦点レンズ搭載のオートボーイFXLより優れ、傑作機のμ2に迫る程である。
 兎に角、外観が悲惨な状態のものが多いので敬遠してしまうかもしれないけど、それが捨て値であれば価格以上の写真が撮れるので、是非手にとって欲しい。

   では、撮影結果をご覧下さい。

(了:2006/06/27)

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