オリンパス センチュリオン


Centurion
この種に慣れたオリンパスのそつなくまとまったカメラである。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能


Centurion Centurion
 フラッシュが勝手にひからないのはスナップシューターにとっては福音である。

Centurion Centurion
 光学4倍ズームは伸びますよ。

Centurion Centurion
 ライカ判換算で31〜125mmと十分な焦点距離のレンズ。。

Centurion Centurion
 グリップも効果的。L型ボディの長所である。

Centurion Centurion
 黄金のロゴが存在価値を高くする。


Centurion Centurion
 マガジンポンのAPSは思ったほど普及しなかったが、カメラは魅力的な物が多く登場した。


Centurion Centurion
 元々はオートカメラだが、幾つかの撮影シーンに堪える。


 センチュリオンと聞いて思い出すのはイギリスの戦車であろう。第二次世界大戦には間に合わなかったが、ユダヤ人がどこからか調達して中東戦争にも参加している。語源はそもそも100人長を占めるローマ時代の言葉である。今では少々定員が少ないが中隊が相当するから、中尉が担当になるだろうな。
 それ穂兎も角、今年で消えることが決まったAPSのカメラである。オリンパスははAPS世代の中でも割と初期から気合を入れて参戦していた。だが、μを踏襲したコンパクトカメラなどは作りもいまいちで、そもそもライカ判フィルムを使用するμに比べて飛躍的に小型になったとも思えず、あまり成功したとは言えないな。ただ、センチュリオンは良くできている。コンパクトでレンズ一体型のボディはオリンパスのポリシーと一致したのだろう。なにせ、オリンパスはレンズ一体型のL字型ボディにこだわりが有った。当初はレンズの性能に拘ったL−1/2が登場したが、やはりレンズ交換型一眼レフと差別化を図るには大柄すぎたこともあって、廉価盤のL−10が登場し。これはそこそこ売れたようである。オリンパスとしては既にレンズ交換式一眼レフカメラを諦めてしまったので、Lボディにかける思いは強く、後には望遠側を180mmまで拡張したL−3が登場している。女性に軽量のL二桁、男性にはL一桁のヒエラルキーをオリンパスは狙っていたのだろうが、L二桁は確かに熟年女性層に見られたが、L一桁を使っている日本人男性を見た経験はない。L−3はかなり大きなボディで折角の一体型の軽快性をスポイルしている。但し、海外ではこの種のカメラは一定の評価を得ており、新宿やシアトルで外国人男性が握っているのは見たことがある。
 APSの登場は既にデジカメが侵透し始めていたから、コンシューマ層にはさほど響くものではなかった。フォーマットが小さいので否定的な業界人・カメラ店店主も少なくは無かった。フィルムの小型化も、ライカ判カメラでかなり小型のボディが実現できたから、インパクトに薄くなってしまったのも否めない。しかし、供給サイドでは熱量は全く異なったようである。ユニークで興味深いAPSカメラは少なくない。
                ☆           ☆
 コンパクトカメラは兎も角、一眼レフカメラはAPSでかなり小型化が実現できた。本カメラはベースはL二桁系ボディを踏襲しているのだろうが、小型化は見事な物だ。やはり、この種のカメラのデザインにはオリンパスのノウハウが生きている。
 レンズは25〜100mmF4.5〜5.6でライカ判換算だと31〜125mmになる。広角側がもう一歩という気がするが、この小型ボディに光学4倍ズームレンズを搭載しているのは大したものだ。動作は機敏で近代の戦闘に堪えるが、パワーズームの速度は標準並みである。これは速ければよいという物でもないので、オリンパスも承知だろう。
 特徴は背面に集約した操作系であろう。バックライト付きの液晶パネルに大きなセンター付き十字キーを組み合わせ、大抵のシーンでの操作に困らない。但し、基本的にはオートカメラなので任意の露出を設定することはできない。この種のカメラは割り切ったほうがイイだろう。十字キーには4つのシーンモードを割り当てており、それぞれ「風景」「ポートレイト 」「スポーツ(1/2000)」「夜景」を担当し、他に標準モードであり「オート」の5種類のシーンモードを搭載している。任意の絞りは選択できないが、「風景」は絞り込むのだろうし、「ポートレイト」は絞りを開けるのだろう。「スポーツ(1/2000)」はその名の通り、なるべく速いシャッター速度を算出するのだろう。こういう言い方は身も蓋ももないあろうが、既にカラーネガしかないAPSなら、これで十分な気もする。
                ☆           ☆
 この手のカメラに特異なオリンパスのカメラらしく、使い勝手は良好であった。DPEは0円プリントを利用したが、ほぼ満足いくものである。しかし、既に0円プリントも1000円を超えてしまった。40枚の綺麗なプリントが返ってくると思えば妥当だが、やはりAPSも消えゆく運命だなあ。

 では、撮影結果(専属モデルと動物園編)を見て頂きたい。

(了:2011/4/1)

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