ペトリ CC.オート 28mmF3.5 その1


Petori28mmF3.5
ペトリマウントレンズで数少ない広角レンズの選択肢が本レンズだ。

☆ジャンク度☆
コーティング不良?
撮影可能

MicroNikkor55mmF35 MicroNikkor55mmF35
 拙僧はこの個体とフィルター枠が歪んだ個体を持っている。
 何れも内蔵露出計には連動しないタイプのようだ。

 ペトリというブランドに拙僧は弱い。語感の押しの弱さが、恵まれて大成したとも思えない製品群からも他人ごととは思えない。その儚さが好きだ、と言えば聞こえはいいかもしれないが、何か自分の影を見ているようでイタタマれないのが本心である。いや、大正時代に「栗林写真工業」として興り、コニカに次ぐカメラ生産業の古い歴史を御存じの方からは、お前とペトリを一緒にするなとお叱りを受けるだろう。戦前は販売店である皆川商店のファーストブランドでカメラを製造していたが、戦後になって自社ブランドとして「ペトリ」を立ち上げ、社名もペトリカメラとした。他に少数の「クリ」の名のカメラがある。ペトリの名は聖書に出てくる聖ペトロから連想したというのが定説である。サンクトペテルブルグと語源は同じである(多分)。海外向けにキリスト教系の名を冠したのだろうが、ニコンとかペンタックスに比べると語感に力強さを感じないのが残念である。拙僧が生を受けた時には、何かと難しい局面にあったようだがペトリカメラは存在した。拙僧はてっきり労働闘争の紛糾で会社は消滅したと思っていたのだが、どうも、いまでも会社は残って望遠鏡などを製造しているらしい。とは言っても、「ペトリ」でネット検索をかけても、そのようメーカーは引っかからないから、我々カメラ人民にとってはペトリブランドは実質的に消滅したと言ってよい。
 ペトリのカメラの評判はイマイチである。戦後、低価格路線の戦略でレンズシャッターの距離計連動機や一眼レフを創出したが、機械的な信頼度の低さから「安かろう悪かろう」のイメージが定着してしまった。もっとも、安普請なのは風評ではなく、実際にカメラの作りや建付けの悪さは実感できるものである。一眼レフにおいては、まず、確実に1/30以下のスローはダメで、1/500以上だと幕の走行不安定なのが普通である。これは複数のペトリボディを確保している拙僧は断言できる。そこそこ売れたと思うのだが、信頼性の低さとネームバリューの低さから、稼働状態にある個体は少ない様だ。レンズも標準以外は28mmF3.5と135mmF3.5、200mmF4以外は出物が少ない。望遠ズームがちょいちょいでるが、程度は良くない場合が多い。
 本レンズは比較的入手のしやすいEE非連動の28mmF3.5である。FTEE  等の露出計内蔵機には絞り値が連動しない。そうはいっても、ペトリの安価に入手可能な広角レンズの選択肢は少ない。実際にボディの精度も不安定な個体が多いだろうから、ネガで大体で撮るのが無難であろう。

名古屋散歩編

モノクロネガをフラットヘッドスキャナで読み込んだものである。
後幕が遅れているせいか、未露光の部分が多くあったので、トリミングしてある。
ペトリを使う以上、その程度では心は折れない。
何れ焼いたものと差し替えたい。















このドカティは顔見知りなのだ。











 撮影結果(秩父散歩編)を見て頂きたい。

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