ペンタックス A3デートについて


A3DATE
チープだが実力充分なマルチモードAEカメラ。

☆ジャンク度?☆
不具合無し
撮影可能


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 レンズマウントはカメラを構えて左側にオフセットされている。


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 KAマウントレンズと組み合わせてプログラムAEが可能。
 コマンドダイヤルが「PROGRAM」の位置にあっても、KAマウントの絞りリングのポジションを「A」から外すか、KAマウント以前のKマウントレンズの使用によって絞り優先AEとなる。

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 ダイヤルによる感度設定はDX対応フィルムが装填されると無視される。

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 セルフタイマーはスライドスイッチ式。

 ペンタックスの一眼レフカメラとしては初めてワインダーを内蔵したカメラであり、プログラムAEを大きな特徴としたカメラでもある。性能的にニコンのF−301に近いが、、マニアル露出が出来ないのと作りはずっとチープで廉価なコンシューマ層を狙ったカメラだろう。正確にはマウントはKAマウントになり、対応したレンズとの組み合わせでプログラムAEが可能となる。KAレンズは最小絞りの先に「A」ポジションが設置されている。これはニコンで言うAiレンズとAiSレンズの差異に該当するだろう。コマンドダイヤルが「PROGRAM」でも、KAレンズの「A」ポジションを外すかKA以前のKマウントレンズの使用で絞り優先AEが可能であり、機能は充分だ。ワインダーのスピードは対して速い物ではなく、巻き戻しは手動になるが不便は感じない。ニコンだと電池が無くても巻き上げられるという利点を挙げてしまうだろうが、本カメラの場合は価格を下げることと手巻きの方が速いとペンタックスが公的にコメントを出しているようだ。
 DXに対応した点もペンタックスの一眼レフカメラとしては最初の方だろう。DX対応フィルムを装填すると、感度ダイヤルの設定は無視される。という事は感度ダイヤルと実際のフィルムの感度が異なる場合が発生するので、混乱を招かないかと心配してしまう。F−301は感度ダイヤルにDXのポジションがあるので明快である。勿論、どんなフィルムを詰めたか忘れてしまっても、裏蓋にはフィルム室に覗き窓が設置されているので確認は可能だ。感度ダイヤルが無視されるので、露出補正は独立した+1.5の露出補正ボタンでのみ可能である。この辺りはニコンのEMが思い出されてよいものである。
 コマンドダイヤルは「B(バルブ)」「60」「PROGRAM」「LOCK」「BAT.C」が用意されている。「60」は1/60でフラッシュ使用時に使用する。「LOCK」はシャッターロックで「LOCK」はシャッターロックで、「BAT.C」はバッテリーチェックである。一見、プログラムAE専用機に見えるが前述の通り絞り優先AEが可能だ。
 ファインダーを覗くと左側にシャッタースピードが表示される。スロー側は1/30までしか表示されず、1/30を下回ると点滅するが、実際には1/30〜2までのスローシャッターを切ることが可能のようだ。
                 ☆           ☆
 早速、撮影してみよう。ボディを眺めるとペンタ部は2重の台形を組み合わせた複雑な形状をしている。ME時代に比べると間延びした「PENTAX」のロゴと組み合わせると、ややぼてっとしている。レンズマウントはカメラを構えて左側にオフセットされており、直線基調のボディラインと大振りな電池室を兼ねたグリップがアンバランスに感じる。外装の材質がチープな上、あまり美しいデザインではないが実を取るようなペンタックスのポリシーが垣間見れてよいものである。
 グリップ上部に置かれたレリーズボタンは自然な物で扱いやすい。レリーズケーブルのネジは切っていない。グリップ下部にネジ穴が有り、これにレリーズケーブルをかませるのだと思うのだけれども試したことは無い。グリップはT−90やEOSの指に吸い付くようにフィットするタイプで無いが、ある程度グリッピングに緊張感がある方がホールディングには好都合と言う見方もあるだろう。
 ファインダーはMF時代のカメラだけあって、ピントの山は掴みやすくフォーカシングしやすい物である。レリーズボタンを押下すると速やかにシャッターは切れ、毎秒1.5枚の連続撮影が可能である。
                 ☆           ☆
 本カメラはペンタックスにとっては始めてのマルチモードAEを搭載したAシリーズの末弟に当たる。外装はチープだが、プラ製外装の方が金属よりショックを吸収し電子機器を守る効果があるようだ。転がっていれば格安だが、プログラムAEと絞り優先AEの両方が使え、機能は必要充分である。
 単三電池2本で駆動するボディは運用面でも扱いやすく、転がっていたら是非拾って欲しい。

 

(了:2009/11/19)

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