コニカ EE−MATIC DELUXE2について


KonicaDELUXE2
60年代距離計連動レンズシャッター機のオーソドックスなスタイル。

☆ジャンク度☆
EE不良
距離計イメージ上下ずれ
撮影可能か?


KonicaDELUXE2 KonicaDELUXE2
 「コニカ EE−MATIC DELUXE2」と長い名前を持つ。

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 オーソドックスで飽きないスタイリングである。
 ボディ下面に電池室を持つ。

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 電池は今は無きMR−9を使用。

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 魅惑のヘキサノン42mmF2.8。
 ガイドナンバーの見方は良く分からない。

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 一見、露出は「AUTO」と「B(バルブ)」のみだが反対側に回すとマニアル絞りモードになる。
 フラッシュ使用時のためと思われるが、変化する絞りの表記が無いので使いづらい。

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 巻き上げレバーとフィルムカウンターはボディ背面に持つ。

KonicaDELUXE2
 ファンダー右下のメクラ蓋の下には距離計像の左右を調節できる。
 傷は拙僧がつけたもの。

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 裏蓋は爪を引き下げて開けるタイプ。

 2010年1月1日。この記念すべき元旦の日に拙僧は例によって漢語文化圏の中に身を投じていた。聞けば食事までは後2時間はかかると言う。「堪らん」という表情を察したのか、妻から買い物にでも行けばと水を向けられる。水を得た魚というのはこういうときに使うのであろうか。妻は「衣料品の福袋でも見てくれば」との意図だったのだろうが、拙僧の行く先は勿論年中無休のHオフである。流石にキタムラは元旦にはやっていない。どういう訳か一番近いHオフは電気は点いていても扉は閉ざされていたが、止むことなく次のHオフに向かう。そこは大手自動車メーカー工場の向かいに位置し、三河でも大きめなHオフだ。
 早速戦闘開始である。一応、中古コーナーのショウウィンドウを眺めるが、勿論目当てはジャンク物である。ジャンク物ショウウィンドウの中のデジカメ類に見るべきものは無かったが、ジャンク箱の中に気になる物件が転がっていた。それが長い名前の本カメラ「コニカ EE−MATIC DELUXE2」である。無作法にもプライスタグは革ケースに直貼りされていたが、そのプライスタグには「カビあり」の注釈と共に1000円の値がつけられていた。革ケース付きと言うのが色めき立つが、流石の拙僧も最近ではフィルムカメラに1000円もの大金を投じるには慎重になっているのである。しかし、レンズにカビは見られず、かなり綺麗な状態。何処がカビているのだろうと思ったら距離計の対物ガラスにカビが見られる。しかし、ファンダーを覗いた限りではクリアな状態である。つまり光学的なコンディションは中々よいのだ。それにヘキサノン42mmの中途半端な焦点距離が気になる。空シャッターを切ってみるとバルブはOK、フラッシュ用と思われるマニアル絞りポジションでもシャッターは切れた。問題はEEモードの「AUTO」だが、これはファインダー内にフラッシュバルブと思われるイメージアイコンが赤く表示されシャッターが切れない。電池は入っていたが変色しており寿命は尽きていると思われたが、店頭ではこのイメージアイコンがLED表示だと思ったので少しは電気が来ているのではとも想像した。後でこのアイコンは通電とは関係なく表示されることが分かる。不思議なことにシャッターは光源に向けても反応しないが、ガチャガチャとレリーズボタンを駄々押しするとたまに切れる。問題は他に距離計イメージが上下にずれていたのだが、これはファインダー右下のメクラ蓋の中に調整用のネジが隠れているのではと思った。とりあえず、露出計は壊れていてもシャッターは切れるので何とか撮影できるだろうと思い、拾い上げることにした。
                 ☆           ☆
 本カメラの登場は1960年代後半らしい。丁度、ヤシカエレクトロ35が猛威を振るっていた頃だ。ヤシカエレクトロ35の明るいF1.7のレンズと絞り優先AEに比べると、本カメラは開放値はF2.8でプログラムAEのみと少し格が下がる。ビジネスホテルや大衆車のようにDELUXE(デラックス)という冠は何となく格下に感じる物だ。コニカの距離計連動レンズシャッター機にはF1.6のレンズを搭載したシャッター優先AEのコニカオートS1.6があるのでヤシカエレクトロ35の直接的な対決はそちらになるだろう。電池は水銀電池のMR−9で、バルタの代用電池が使用できるが最近バルタの物は値段が105円から500円弱と高騰しているので、いっそのことアダプターを買ってしまうか悩むところだ。
 シャッター速度は1/30から1/250である。不思議なのはバルブからAUTOの反対側に設定リングを回すと回した角度に応じて絞りが変化し、シャッターが切れることだ。これはオリンパスペンEE等のようにフラッシュ撮影の時に使うのだと思われるのだが、鏡筒には絞り値等は表示されておらず使いづらい。鏡筒下部にはガイドナンバーと思われる数字が割り当てられており、これに応じたフラッシュマチックになっているのだろうが、絞り値が表記されていればマニアル撮影もできるのに残念である。この時のシャッタースピードは分からないが恐らく1/30か1/60であろう。
                 ☆           ☆
 ファンダー右下のメクラ蓋の中には精密ドライバーで引っかかる物があり、これを回せば距離計イメージの上下が調整できるのではと軽い気持ちで回したのだが、実際には上下のずれではなく左右のずれを調節するためのもので大いに焦る。ヘリコイドの距離とメジャーの位置で距離計イメージが一致するように調整したが、もしかしたら狂っているかもしれないな。
 早速、ばらし始めたのだが、思った以上に手間取った。ただ、構造的には素直に作られており、拙僧のような拙い者でもそこそこ理解できたのが幸いである。

 
   では、分解編を見て頂きたい。


(了:2010/1/5)

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