キヤノン FD55mmF1.2


FD55mmF12
堂々たる大口径レンズ。

☆ジャンク度☆
周辺にカビ有
撮影可能

FD55mmF12
野太い鏡筒に痺れまくり。

 拙僧が単車デビューを飾った頃、最速と言えばZZR1100だった。当時、300km/hを超えるとされる唯一の単車であった。300km/h超えといえば佐藤信哉のGSXR750であるが、あれはチューンドだし伝説だから箱根ターンパイクで真似できるものではない。その後、ホンダのCBR1100XXが最速を塗り替えたが、瞬く間にスズキのGSXR1400隼が登場しギネスにも載った。現在では記録は塗り替えられているというが、なんでもそれはロールスロイスのヘリ用ターボシャフトエンジンを積んだ代物だそうだから量産機の隼と比較するのはフェアじゃないだろう。ここ数年、オートバイ雑誌はブックオフの100円の物しか見ていないからちゃんと調べたら、カワサキからカウンターとしてZZR1400が出ている。なんでも203馬力だそうだ。それでも隼程インパクトは無いように見えるのは隼の登場のタイミングが良かった。丁度、ヨーロッパでも速度制限の認識が高まって、「世界最速」という価値が響かなくなったのだ。うがった見方をするとBMWのKシリーズが伝統の縦置きをやめてパラレルになり、日本車並みの動力性能を発揮したことから、ヨーロッパ勢の身内意識が強くなったともいえる。WGPもレギュレーションが変わってドカティが登場するようになった。それでも、峠を元気に走っているのは圧倒的に隼が多い。
 がらっとカメラの話に移るが、開放値がF1.4より明るいレンズ等と言うのは旧世紀には拙僧の購入対象にはならなかった。50mmF1.4だって非Aiのニューニッコールしか買えないのに(それだって大枚一万円もした)、たった0.2しか明るさの違わないレンズに数万円も払うのは論理的に不可能であった。唯一、買えそうな価格帯はコシナ50mmF1.2であったが、Kマウントしかなかったし、実際使っている方に言わせると、どうも評価は芳しくなく購買意欲が萎えた。そのうちにフジヤカメラの価格表からも姿を消してしまう。実際にあっしが買ったのはブロニカSマウントのニッコール135mmF3.5とかスーパータクマー28mmF3.5とか暗くて安いレンズだったが、これはこれで正しい判断だっただろう。第一、ニューニッコール50mmF1.4だって重すぎて使わないのだ。しかし、カメラスタイルにノクトニッコールの提灯記事が載ると、作例なんかちっとも見ないのだが文体に心魅かれたものである。これは伝説なのだ。
 ところが新世紀になって定期偵察しているキタムラのジャンク駕籠にビア樽みたいなレンズが転がっているのである。FDマウントのなのは分かって、3000円のプライスタグは拙僧の懐には重いので見送ろうとも思ったが、手に取ると55mmF1.2なのでびっくりした。よく見ると、中玉周辺に若干カビがあるのだが、そんなことはまるで問題にならない。さっさと拾って小額紙幣を押し付けて帰るのだ。
               ☆           ☆
 それが2年くらい前の話である。早速、ISO800のカラーネガでも詰めて銀座の夜景でも撮りたいところなのだが、都心から三河に身をやつしているので叶わない。それに、いいレンズ・カメラを手に入れると安心して安レンズ・カメラを使ってしまうのだ。稼働は2011年の上海旅行まで待たなければまらなかった。
 拙僧が20代の頃にバイブルとして読んだのはオートバイ漫画の「キリン」である。なんでも今年の秋に実写映画が公開されるようだ。見たい気もするが中学生の頃にときめいたポルノ雑誌を、大人になってまんだらけで買ってもがっかりするのは経験済みである。
 その点、レンズは裏切らない。


 撮影結果(モノクロ:上海大境路編)を見て頂きたい。
 



カメラメニューへ戻る
「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system