キヤノン EF100〜300mmF5.6


EF100_300mmF56
初期のEOSシリーズの長玉攻撃を担ったズームレンズである。

☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能

EF100_300mmF56 EF100_300mmF56
F値の変わらず使いやすい望遠ズームレンズ。
長砲身のダイナミックなルックスが素敵。

EF100_300mmF56 EF100_300mmF56
最短撮影距離は2mと並だが、マクロモードを搭載する。
撮影倍率とかわからないのだが、ちゃんと使い物になる。

EF100_300mmF56 EF100_300mmF56
直進ズームで300mmにすると、鏡筒が更に長くなって大迫力に。
「USM」は非搭載のようだな。

 キヤノンカメラミュージアムによると、本レンズの登場は1987年9月である。キヤノンから画期的なAF一眼レフカメラとして登場したEOS650から遅れること半年だ。キヤノンのAFレンズのシリーズでも、最も初期のレンズと言っていいだろう。この際、T−80のことなんかすっかり忘れていただきたい。定価で58400円は当時としては安い部類じゃないかな。なにせEOSシリーズだって勃興したばかりだから、タムロンやシグマの安レンズだって無かっただろう。EOS650の本体が定価で80000円だったようだし。1988年2月に登場したEF100〜200F4.5は32900円と、かなり安くなるが長さが300mmと200mmじゃ全く運用が異なるな。「USM」の記述がないのでキヤノン自慢の「超音波モーター」は非採用なのだろう。あまりネットでも取り上げの少ないレンズなのだが、後裔機のEF100〜300mmF5.6Lはちょいちょいヒットする。「L」がついているだけあって、蛍石と低屈折・低分散のUDレンズを採用するが、値段も定価で93800円と一気に上がった。拙僧なら迷わず本レンズを選ぶな。本レンズのキヤノンカメラミュージアムの扱いは軽いもので、「L」の方はレンズ構成図まで紹介しているのに、本レンズは基本的なスペックを紹介しただけだ。
 現在の視点だと、かなり長大なレンズである。当時の常識的な望遠ズームってのは80〜210mmとかだったし、300mmの魅力は難を消すよな。絞り値がF5.6で通しと言うのも好ましい。ちょっと暗いけど、ちゃんと初期のEOSで合焦するんだから問題なしだろう。最短撮影距離が2mというのは微笑ましいけど、マクロモードを搭載している。300mm側でマクロモードにすれば、なかなかの効果だ。流石にAFユニットが至っていないので、マクロモードでのAFは困難である。なので、フォーカスモードも「マクロ〜∞」と「2m〜∞」と「マニアル(フォーカス)」の3モードを用意する。
 EOS20Dでしか撮影実績がないのだが、ちゃんと写る。発色が眠たいのだが、これは本レンズの性能の限界というよりは、EOS20Dが本レンズのような旧いレンズでは性能を発揮できないのだろう。何しろ26年も前のレンズだからな。EOS20Dだって、非難されたら困るだろう。それよりも、初期のEFレンズがデジカメ時代のEOSでひとまず動作するのは大したものじゃないかな。ニコンが「不変のFマウント」なんて言ったって、実際にはかなり制約があるからな。Fマウントレンズの互換性については、既に拙僧などは把握できない。
               ☆           ☆
 どういう経緯か正確には分からないのだが、拙僧は2本持っている。1本は多分、イルクーツクの友人からEOS630を貰った時についてきたんじゃないかな。もう1本は全く覚えていないんだが、何かのネットオークションのセット物に入っていたのだろうか。或いは200円とか悲観的なプライスタグがついていて、哀れで拾ったのかもしれないな。
 モダンなレンズと異なって落ち着いた発色だが、それはそれで実際の色に近い気もするし、悪い感じではない。望遠側で寄ると、かなり綺麗に背景がボケるし、本来のポテンシャルは高いんじゃないかな。
 多分、中古カメラ屋でも場所ふさぎでジャンク扱いじゃないだろうか。旧いレンズだが流石に純正モノなので、シグマの安望遠ズームレンズに比べたらスマートに駆動する。綺麗な個体で1000円くらいなら確保しても一興じゃないだろうか。高シャープネスや高コントラストばかりでは、やっぱり飽きるんじゃないかな。

 撮影結果(蓮花編)を見て頂きたい。
 



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