コシナ 100mmF3.5(EFマウント)の撮影結果(ポジ編)


Cosina100mmF35Macro
世界で最も廉価なマクロレンズであろう

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能



Cosina100mmF35Macro Cosina100mmF35Macro
シンプルなスタイリングが好ましいい。
AFレンズに情緒など不要だ。ましてやデジカメなんて。


Cosina100mmF35Macro Cosina100mmF35Macro
拙僧なく伸びるレンズ長。
男子は見習うべきだろう。


Cosina100mmF35Macro Cosina100mmF35Macro
拙僧が手に入れた個体は前後キャップに純正クローズアップレンズ付きだった。
このマクロアダプター単体の方が遥かに入手困難で高額である。

Cosina100mmF35Macro
Kiss7(フィルムカメラ)に付けると妙にマッチする。
幸福なペアだな。

 最初に宣言させていただきたいのは、本レンズの「2ページ目の撮影結果」は素晴らしい被写体である。写真の出来は拙僧やレンズのコンデョションに依存するが、被写体は素晴らしい。なので、拙僧の稚拙なコンテンツも、ちょっとだけお付き合いいただきたい。
 コシナといえば今やカールツアイスのお墨付きを冠した一級品である。一流品となるとニュアンスが異なってくるのが日本語の難しさだな。とにかく、「このツアイスのレンズはマップカメラのレンタルなんですよ。シグマやニコンと違って高くて買えないですから。」という若い連中の言葉に頭痛を感じたものだが、最近は若い連中と同行する機会もないな。拙僧がカメラ民族を自覚し、民族自決の共和国独立戦争に参戦した頃、コシナは未知のブランドだった。いや、それは世紀末の話だから、既にベッサLかベッサRは出ていたはずだな。拙僧がニコンEMをぶら下げて、溢れる程の種類のモノクロフィルムに囲まれて、夢を見ていた八王子のヨドバシカメラにも、素晴らしくカッコいいが、どうやら一眼レフカメラ(それは最高で唯一の選択肢を意味していた)ではない、フォクトレンダーのカメラは、一階の奥の半地下へと降る階段の手前のショウウィンドウの端に飾ってあった。そのフォクトレンダーとカメラ雑誌のモノクロ広告ページに掲載する、新品なのにやたらと安いレンズのブランドが重なるのは少し後になる。
 本レンズは都内や大都市圏の有名ショップにのみ供給した、一連のコシナブランドのレンズの一つらしい。有名ショップと言ってもヨドバシとかビックといった大型量販店ではなく、独立系のショップだ。これは想像だが、新聞通販とか、怪しい時代のTV通販で妙に安いボディとセットとして流通していたのではないだろうか。本レンズもマップカメラのジャンク籠に前後キャップ+マクロアダプター付きで2000円だった。マップカメラのジャンク物件は妙に高いので、別の店かも。本レンズのαマウントも持っているので混乱しているのかもしれない。だた、マップカメラに限らず、ミラーレス一眼が台頭し、アダプターがえげつなく安く流通する直前くらいまで、コーティングがデジカメに対応していないレンズは安かった気がする。たまたま時期が良かったのかもしれないな。そういう意味で言うと日東商事のように現在に至るまでジャンクが安い店もあるし、xx市場のようにやたらと高い店も継続中だな。2014年の現在に至っても。
 拙僧とコシナの接点はわりかし早く、中野のフジヤカメラで1万円で確保したAiSニッコール50mmF1.8の前か後にはコシナ20mmF3.8(Fマウント)を確保している。それも、フジヤカメラで1万円くらいだった。本レンズも1万円+α程度で流通していたようだ。一説にはマップカメラでマクロアダプター付きで1.5万円だったともいう。マクロアダプターというのは、単純にクローズアップレンズで、口の悪い方なら虫眼鏡(凸レンズ)というだろうな。実際に、そのような代物で、マクロアダプターが無いと1/2倍止まりなのだ。マクロアダプターを装着して、やっと等倍を実現する。勿論、虫眼鏡だから、装着すれば周辺は流れるし、描写力は落ちる。これを「ゴマカシ」などと蔑視するのはナンセンスで、コシナ流のリップサービスというべきだろう。大体、1万円かそこらのレンズなんだし、1/2だってそこそこの撮影は可能なのだ。ちなみに、当時、キヤノンの純正EF100mmF2.8マクロが実売ベースで6万円だったらしい。安いなあ、純正EFレンズ。
 レンズ構成は4郡5枚。MF時代からの設計だし、F3.5の開放値からして妥当なんじゃないだろうか。作りが安っぽいという指摘があるが、安いレンズだしねえ。キヤノンの安ズームレンズだって、それなりのブツがある。本レンズにはMFとAFがあるが、MFレンズはロゴをテクスチャーで表現していて、それなりに三流国で活躍するダットサンの雰囲気だ。そういうのはシグマや一流メーカーでも無きにしも非ずだったので、コシナのセンスが単純に悪かったとは言えないだろう。むしろ、AFレンズのあっさりしたスタイリングには好感を持つ。耐久性には一抹の不安を覚えるが、フィルム時代に一か月あたり10本以上のフィルムを消費する方なら、いずれにしろ本レンズを卒業するべきだな。本レンズに安っぽさを感じるとしたら、太い鏡筒から細いフォーカス部が伸びる所だろう。なまじ、細いフォーカス部がかなり伸びるので、男性的に不安になってしまう。拙僧は品性に欠く表現は好まないのだが、率直にそう思ってしまうのだ。むしろ、疑問に思ってしまうのは、本レンズが複数のブランドとしてメーカーに供給していたことだ。レンズに関しては実直な一流メーカーも含んでいる。そう聞くと、ちょっとエゲツナイ商売を想像してしまうが、実際の販売価格もそれなりのようなので、大人の商売なのだろう。
 本レンズの描写については、あまり断定できない。本ページに掲載する画像はポジをフラットヘッドスキャナで読み込んだものである。ポジなのは確かなのだが、ボディを特定できない。写り具合がかなりアンダーなのが、拙僧の設定が不良だったのか、EOSのボディが非純正品に対して意地悪をしたのかはよくわからない。ポジそのものも期限切迫を捨て値で買って、数年寝かしたものかもしれないな。でも、意図的にそういうアンダーな感じだと言ってしまえば「作風」として押し通せるかもしれないな。被写体が「蓮花」なので、アンダーの中の柔らかな色彩が浮き出てイイ感じでる。本気で撮影した「2ページ目の撮影結果」に至っては、現場で後玉が曇っていることに気づき、その場で爪で解体して袖で拭ったので、更に正当な評価とは言えないだろうな。どうも、本レンズの特にAF時代のレンズは曇りやすいようだ。しかし、外しやすい後玉の内側なので、やっつけ仕事で拭けないことは無い。
 コシナの得意な技術としてコーティングが有名である。主にカラーフィルムで撮影した時に、パリッとした表現をする。一方で逆光に弱い。ちょっと矛盾する特徴だが、どちらかを優先したのだろう。Web上で確認できる本レンズの撮影結果を拝見すると、軟調というかもやっと写るようだ。かなりキリッとした発色の画像もあるのだが、もしかしたら曇った個体が多いのかもしれない。拙僧の個体は、主力をペンタックス6x7とした戦車大隊を動員し、到着した戦場であるビーチで曇っていることを確認した。そのまま浜辺に埋めようと思ったのだが、昼休止で思い立って後玉をつめで外し、息を吹きかけてTシャツで拭いたらそこそこ綺麗になったので、午後からは戦闘に参加させたな。それで本当に問題が解決したかどうかは「2ページ目の撮影結果」でご確認いただきたい。コシナの代表的なお値打ちズームレンズのコシナ 28〜200mmF3.5〜5.6などはパリッとした発色をするから、本レンズのもっさり感はコシナブランドのレンズとしては少数派だろう。ちなみに28〜200mmは立派なレンジだが、コシナ CT1EXとの組み合わせで通販系ルートで悲観的な価格で流通していたらしい。このボディも何かと不透明な素性である。
 本レンズの安普請な作りを拙僧はネガティブには思わない。しかし、どうも新世紀に至って数年まで、コシナは本レンズに「デジタル」の文言を加えたモデルを戦場に投入したらしい。それはちょっと図々しいんじゃないかな。本レンズに感じるとしたら、当然、APS判デジタル一眼レフカメラのオーナーだろう。そうなると、140mmあたりに相当するし、F3.5の明るさ(!)はマクロにもポートレイトにも効果を期待する。本レンズの開放時の描写は満更でもない。幾つかのコンテンツの画像はボケが線状になってイマイチなのだが、拙僧の個体は綺麗にボケる。しかし、本当に2002年前後に登場したデジタル一眼レフカメラの撮像素子に響くコーティングを施したのかねえ。既にフォクトレンダーブランドのレンズが素晴らしい評価を得ていた時代のコシナだから、やろうと思えばその技術的なノウハウはあったはずだ。しかし、大阪の独立系カメラ屋で1.5万円のプライスタグと聞くと、わざわざコーティングの再設計をしたかねえ。コシナの技術なら可能だろうけど、旧世紀時代流のリップサービスという気がするな。
              ☆             ☆
 本ページに掲載した画像はポジで撮影したものをフラットヘッドスキャナーで読み込んでいる。妙にアンダーなのは、既に曇っていたのかもしれないな。

 

















 撮影結果(ビーチ水着モデル撮影会編)を見て頂きたい。


カメラメニューへ戻る
「意してプラカメ拾う者なし」へ戻る

inserted by FC2 system