ADOX ポロ


ADOXPOLO
安カメラだがソビエトカメラの安普請さとは一線を画す

☆ジャンク度☆
無し
撮影可能


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 シュナイダーが気を吐く。
 前玉回転式の3枚玉であろう。


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 4速+バルブのプロンターシャッター。


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 中央に鎮座したファインダーが目立つ。
 レンズとのパララクスを押さえているのだろう。


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 ADOXは歴史ある感材メーカーである。

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 シンプルなボディ上部。
 フィルムカウンターは減算式で、リセットは手動。


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 巻き上げレバーの予備角は大きい。


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 妙なシリアルナンバー。


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 正真正銘のドイツ製。


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 ボディフレームは樹脂が中心。


 ADOXについて日本語で書かれたコンテンツは多くない。本コンテンツは断片的な情報を取りまとめたものである。何時にも増してプルーフとしての価値は低いのだが、ご了承いただきたい。
 感材メーカーとしてのADOXの歴史は古く、設立は1890年である。1920年代からカメラ製造にも着手している。アグファやコニカのように、感材の販売促進として廉価によく写るカメラの供給を主目的としたようである。日本でも知られているのはマミヤマガジンのようにフィルムバックが交換できるライカ判カメラが確かADOXだったと思うのだが、海外のWikiでも紹介が無く、本コンテンツでは深く掘り下げないことにする。比較的、コンテンツでも見かけるのが6x6判のゴルフとライカ判のゴルフとポロ/ポロマットであろう。ゴルフ(Golf)とポロ(Polo)と言うネーミングの組み合わせは四輪のフォルクスワーゲンにも見られるが、ドイツ人にとってはメジャーな発想なのだろうか?四輪のゴルフの語源は球技ではなく、ゴルフシュトローム(メキシコ湾流)から来ているとされているが、ポロの方は球技であろうな。ポーラーウィンド(プラズマの流出現象)という説もあるが、こじつけに見れる。初代ゴルフが1974年のデビューだから、カメラのゴルフの方が半世紀近く先行している。
 6x6判のゴルフについては本カメラと直接の血脈は無いので割愛する。ライカ判のゴルフが煉瓦のように四角いマッスなのに対し、ポロの方は穏やかな流線型を形成しており、グッとオーソドックスなカメラに近い。何れにしろ、カメラとしては極めてシンプルな構成になっており、普及カメラと言えよう。フィルム蓋を開けると、ちゃんとADOXフィルムのステッカーが貼ってあり、多くの感材メーカーのカメラを髣髴させるものである。
 ポロの登場は1960年代の初頭である。初期のモデルはレンズにAdoxar45mmF3.5を採用した。Adoxarはゴルフも搭載したレンズだ。本カメラはシュナイダーのラヂオナーL45mm2.8を搭載した後期のモデルである。簡素な3枚玉であろうが、シュナイダーブランドはスイーティ―である。シャッターはプロンターで1/30〜1/250の4速にバルブ(B)を組み合わせる。ボディ上下とフロントパネルが薄い鋼である他は、基本的には樹脂で構成している。手に取るとボディサイズの割に羽のように軽いので驚く。外観上で特徴的なのはファインダーであろう。中央に対物レンズを置き、大きな開口部が目立つ。ちょっと、一つ目小僧と言う雰囲気である。これはレンズとのパララクスを極力抑えるためのデザインであろう。日本では露出計を搭載したポロマットの方が良く見かける(?)が、こちらはファインダーが端に寄っている。ファインダー内にはフレーム以外に何の情報も表示しないが、クリアで好感触である。単純な構成が生きているのであろう。
 巻き上げレバーは背面に埋め込んであり、巻き上げ角度はかなり大きい。そういうヨーロッパ製カメラは多いので、彼らの指の長さからすれば些細な問題なのだろう。セルフコッキングになっており、二重写しを防止する。レリーズボタンは樹脂製でタッチングも安っぽいが、安いカメラなので取り立てて問題ではないだろう。ショックは極めて少ない。大柄なボディなのでホールディングは良好である。フィルムカウンターは減算式だが、リセットは手動で行う。
                ☆           ☆
 本カメラのような安カメラは中古カメラ屋でも相手にされないから、発見率は意外と少ないだろう。拙僧はインターネットオークションで600円で落札した。本カメラが欲しかったのではなく、同出品者のブツを落札していたので、相対的に送料を押さえたかったからだ。
 しかし、流石のシュナイダーレンズである。まだ、モノクロネガをフラットヘッドスキャナーで読んだ段階だが、なかなかビシッとした写りである。同時期に運用したコンタレックスのテッサーよりも具合がいいように見える。拙僧のような安い人間にはもってこいのである。
 ADOXは一度消滅した後、感材メーカーとして健在であるらしい。やはりアグファのような道を辿ったのであろうか。もっとも、ADOXブランドの大陸製トイデジカメが乱出する訳でもなく、真面目にモノクロフィルムを供給しているようだ。
 もっとも、ADOXの正規日本代理店は無く、詳細は不明である。

 では、撮影結果を見て頂きたい。

(了:2012/7/13)

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