16mmフィルムを使おう


Make16mmFilm
こいつをこれから作って現像できる環境を整備したいのだ。


 ライカ判フィルムを巻きなおしてボルタ判フィルムを作って、実際に撮影するようになって拙僧の何かの箍が外れてしまったようだ。猛烈に16mmカメラを使いたくなってしまう。勿論、スチルカメラ用の16mmフィルムは現在手に入らない。それでもマミヤ16とかコーナン16とか、男のミニチュアメカニックに対する欲求をくすぐるカメラがあるので、勇士たちが120判とかライカ判のフィルムをカットしたり、16mmシネフィルをカートリッジに詰めてゲリラ戦で戦っておられる。それでスプール付きのブツを廉価に落札したつもりになっていたのだが、なんとカートリッジだけで肝心の軸たるスプールが無かった。それで、仕方ないのでカメラ本体の5倍もの価格帯で未使用フィルムを落札する。苦渋の選択である。
 ブツは普通郵便で速やかに届いた。プラケースに入っており、単純にミノックス判フィルムをスケールアップした感じである。C−41プロセスと書いたテープでカートリッジが止めてあったのでカラーネガを詰めてあるのだろう。フィルムは先頭部に穴が開いていたが、特にいわゆるパーフォレーションは無い。これが110判フィルムだと1コマ枚に穴が開いていて、巻き止めに使っているから、ただフィルムをカットするだけでは済まないので面倒になる。さて、拙僧の作戦だが16mmシネフィルムを確保するのはコスト的に論外である。勇士の方々が良く紹介しているのが、ジャンクの中判カメラを改造してカッターを内蔵し、巻き上げしながらカットする方法だ。この冴えた点は120判をカットすると16mm幅のフィルムとベスト判フィルムを作ることが出来るのである。我軍にもジャンクの中判カメラは転がっているのだが、工作となると不器用なので気が引ける。そこで印画紙用のカッターにガイドを付けて切ることにした。この方法の決定的な欠点は、部屋を完全な暗室にする必要上、指を傷つける可能性がある。それでも、カッターを自作するより手間がかからないので、この手段を選択する。そもそも、16mmフィルムの現像だって満足にできるかどうかは、この時点では分からないのだから労力は温存したい。カットするフィルムは120判のTMAX100にした。理由は粒子が細かくフィルムベースが強いので、手探り作業でも千切れたり傷つきにくいのではと持ったのだ。120判にしたのは、16mmフィルムの長さが50cm位だそうなので、120判フィルムを半分にした長さが丁度よいと思ったのだ。
 実際に切ってみると、ちゃんと指を切りそうになるので慎重さが必要だ。拙僧は夜間に暗室兼何度を更に遮光した。かと言って、指で押さえないと真っ直ぐ切れないので、大けがをする前に方法については検討が必要だろう。余ったフィルムをベスト判として使おうかとも思ったのだが、全て切ってジャンク二眼レフをフィルムケース代わりに保存してある。フィルムの装填は、スプールなど細かい部品が飛んで無くなると困るのでダークボックスの中で行った。裏紙が無いので、タダまるめて詰めるだけだが、何せ手さぐ選りなので案外時間が掛かる。汗をかく夏場だとフィルムが汗で汚れる可能性があるなあ。


Make16mmFilm
これが16mmフィルムである。見てくれはミノックスフィルムを拡大した感じ。

Make16mmFilm Make16mmFilm
 C−41と記載があるので、カラーネガが巻いてあるのだろう。

Make16mmFilm
 これだ取り出したフィルム。巻き取り側にはリールがあるが、送り出し側はフィルムがまるめて収まっているだけである。

Make16mmFilm
 いよいよ、カッティングである。幅を抑えるガイドとして線引きを張り付けてある。


Make16mmFilm
 試しにジャンクフィルムを切ってみる。長さ的にも120判がマッチする。

 早速、ミノルタ16Pにフィルムを詰めて遊撃戦を開始する。小型のデジカメに慣れた目には然程コンパクトでもないのだが、金属製ボディはミニチュア感があって良い物である。帰還してからが肝の現像である。初戦のネガは、大して考えもせずにライカ判のベルト式リールに巻いて現像したが、散々な結果に終わった。殆どのカットが現像むらでパーになってしまったのだ。やはり、世の中は甘くない。先輩諸氏の報告では自作リールや、変わったところでは樹脂パイプを流用した現像タンクの自作が紹介されていたが、不器用な拙僧には難しそうである。そこで、120判のベルトが余っているので、こいつで何とかならないかと思いついた。キングのベルトは両端に突起があり、ベルトを巻くことで突起で空いた隙間にフィルムが通って、現像液が出入りするようになっている。だから、突起を残してカットして幅を狭めれば16mm用のベルトが出来るのではと思ったのだ。ライカ判のリールだと長すぎて面倒な作業になりそうだが、幸いなことに100円だかで万が一の為に確保していた120判リールが1個余剰となっているのだ。


Make16mmFilm
ノギスで突起の幅を測る。失敗は許されないのだ。

Make16mmFilm
 ベルトは丈夫なので慎重にカッターで切る。

Make16mmFilm
 両端の突起の幅が16mmになるように瞬間接着剤で留める。

 無論、不器用な拙僧のやることなので、あちらこちらを接着剤で汚したのだが、案外、満更の出来の16mm用ベルトを使用した。ベルトは完全に16mm幅に詰めるのではなく、120判の幅の部分は多く残している。これはリールもタンクも120判の物を使用するので、取り回しをよくするためだ。



 ミノルタ16Pによる撮影結果もご覧頂きたい。

(了:2011/11/19)

inserted by FC2 system